Q&A:放射線について

Q1:「放射線」「放射能」とは何ですか?

A1
放射能 「放射線」とは、高速で運動している粒子(電子、陽子、中性子など)やエネルギーの高い電磁波(光)のことです。
自然に放射線を出すものと人工的に放射線を発生させるものがあります。

(1) 自然に放射線を出すもの

  • 放射性物質 自然に放射性物質の原子核が壊れ、他の原子核に変わるとき放射線を出します。この性質を放射能といいます。
  • 宇宙線 宇宙の彼方の超新星爆発等によって発生した放射線です。非常にエネルギーが大きいため、地球にも届きます。

(2) 人工的に放射線を発生させるもの

  • 放射線発生装置 いろいろな種類のものがありますが、私たちの生活の中で身近なものは、病院や検診車でレントゲン撮影をするときに使うX線発生装置です。
    電気的に発生させるので、スイッチを切れば放射線の発生は止まります。

Q2: 放射線には種類があるの?

A2: 放射線にはいくつかの種類があって透過力(物を突き抜ける性質)も異なります。よく知られている放射線を幾つか挙げてみます。

  • アルファ線 陽子2個と中性子2個が集まった粒子です。透過力は弱く紙1枚で止まってしまいます。
  • ベータ線 電子がその正体です。透過力はアルファ線に比べると強く、薄いアルミニウム板で止まります。
  • ガンマ線 目には見えませんが、電磁波とよばれる光の仲間です。透過力が強く、厚い鉛の板でないと止まりません。(X線もこの仲間です。)
  • 中性子線 ガンマ線より透過力が強く、厚い鉛の板も突き抜けてしまいます。水や厚いコンクリートで止めることができます。
放射線の種類と透過力

Q3:放射性物質には種類があるの?

A3:放射性物質には、大きく分けて2種類あり、自然放射性物質と人工放射性物質があります。
  • 自然放射性物質 自然放射性物質には、ウラン、トリウム、ラジウム、ラドンなどがあり、地球が誕生したときからあります。
  • 人工放射性物質 ガン治療などの医療目的や産業利用のために作られた放射性物質、あるいは、産業利用の過程で発生する放射性物質をいいます。 また、核爆発実験によって生じた放射性物質も人工放射性物質です。
    代表的な人工放射性物質には、コバルト-60、ストロンチウム-90、セシウム-137などがあります。

Q4:単位の読み方、意味は?

A4: 放射線の量をあらわす単位にはグレイ(Gy)シーベルト(Sv)があり、放射能を表す単位にはベクレル(Bq)があります。
  • グレイ(Gy) 放射線が物質に当たったときに、その物質に吸収されたエネルギーの量(吸収線量)を表す単位です。1グレイは、1キログラムの物質に吸収されたエネルギーが1ジュールであることを表します。
    (ジュールはエネルギー量を表す単位です。1ジュールは1グラムの水を0.24度上昇させるのに必要なエネルギーです。)
  • シーベルト(Sv) 放射線は、種類によって人体への影響が異なります。放射線が人体に与える影響の度合いを加味した線量の単位です。
  • ベクレル(Bq) 放射能を表す単位です。放射性物質は、自然に原子核が壊れ、他の原子核に変わっていきます。このとき放射線を出します。1秒間に原子核が壊れる数を表す単位です。